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Ughi, Uto (1981)
Ughi, Uto (1991)
Ughi, Uto (2004 LIVE)
Umezu Miyo 梅津美葉 (1995)
Unno Yoshio 海野義雄 (1981)

Urakawa Takaya 浦川宜也 (1984)
Urushihara Asako 漆原朝子 (1983 LIVE)
Urushihara Asako 漆原朝子 (1996)
Urushihara Keiko 漆原啓子 (2010&2011)
Ushioda Masuko 潮田益子 (1971)

Ushioda Masuko 潮田益子 (1996)

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J.S.BACH: chaconne




Ughi, Uto
ウート・ウーギ

BWV 1004 [c/w BWV 1003]
around 1981
chaconne=
(RCA-Italy RL-31576 LP-ITALY)







Ughi, Uto
ウート・ウーギ

BWV 1001-1006
Apr 07-10, 1991
chaconne=15:24
(RCA-Italy RD-60971 CD-ITALY)



 ウト・ウーギ唯一の全曲盤。
 開放的で淀みのない流れがすばらしい。しかも力強く、まことに歌を感じるヴァイオリンだ。
 一方、第3ソナタのラルゴにただよわせるそこはかとない寂寥など、苦しいほどに胸を打つ。
 テクニックも問題なし。音色もひじょうに美しい。きわめて完成度の高い、魅力にあふれた無伴奏である。
 1744年製、グァルネリ・デル・ジェスCariplo℃g用。

 録音は、残響豊かも、近接録りゆえ直接音も鮮明。左手の動作音などもけっこう入っており、神経質な人は気になるかもしれない。


 ★★★★★





Ughi, Uto
ウート・ウーギ

BWV 1004 [c/w BWV 1001]
Nov 26, 2004
オーディトリウム・パルコ、聖チェチーリア音楽院 (Italy)
chaconne=13:17
(fone 2005 CD CD-ITALY)



 還暦を迎えたウーギ(1944年生まれ)の、ローマでの無伴奏リサイタルをライヴ録音したもの。
 第2パルティータ完演。ほかに、バッハの第1ソナタ、イザイの第4ソナタ、パガニーニのカプリース4曲、ミルシテインの『パガニーニアーナ』。

 美音は健在だが、ところどころ、音がひっくり返ったりしているし、ウーギもトシかなと思わされる。
 とはいえ、ライヴでのミスは宿命であるから、ケチをつけるつもりはまったくない。それを受け入れ、修正を施さずに記録として残す姿勢を、私はむしろ評価したいと考えているくらいである。
 もっとゆったりとした、口笛のような演奏を、私としては想像、期待していたのが、せかせかしていて神経質なバッハだったのが残念。実際、彼にすれば、不出来といっていいのではないか。
 ただし、ラストの『パガニーニアーナ』はかなりいい。

 ウーギの無伴奏は、やはりRCAの全曲がベストだろう。

 録音優秀。残響豊かも、近接録りで直接音鮮明。


 ★★★☆





Umezu Miyo
梅津美葉

chaconne
Feb 06-08, 1995
神奈川・横浜フィリアホール (Kanagawa, Japan)
chaconne=15:12
(PHILIPS-Japan PHCP-1438 CD-JAPAN)



 うるおいのある音色が魅力。終始優雅で、初々しい。
 瑕疵のない演奏だが、こぢんまりとまとまっており、逆に、そこに物足りなさがなきにしもあらずか。

 このディスクは、アニメ映画『星空のバイオリン』のサウンド・トラック。
 映画は、さほど優秀な作品とは思えなかった(※VHSで鑑賞。未DVD/BD化)。梅津本人が吹き替えでゲスト出演していたが、ヴァイオリンのようにはいかなかったようである。

 録音良好。残響適度。ただ、音像がやや定まらない感じがある。


 ★★★☆





Unno Yoshio
海野義雄

chaconne
Jun 17, 1981
東京・荒川区民会館ホール (Tokyo, Japan)
chaconne=16:25
(CBS SONY-Japan 40AC-1194/5 LP-JAPAN)



「かつては」日本を代表するヴァイオリニストだった海野義雄の貴重なシャコンヌ。
 やや芝居がかったところがあり、旧世代の雰囲気がある。スケールが大きく、派手で、なかなか聴きごたえのする演奏だ。技術面もまったく問題はない。

 このLPは2枚組で、メン・チャイ≠ェメイン(※バックはスヴェトラーノフ&ロンドン響)で、そのフィルアップとしてシャコンヌを収録。
 メン・チャイはロンドン、このシャコンヌはその後、東京で録音された。
 全四面のうち、チャイコフスキーに二面、メンデルスゾーンとバッハに、それぞれ一面を振り分けている。
 デジタル録音であるが未CD化のようだ。

 録音優秀。残響豊かも、直接音明瞭。


 海野はN響のコンサートマスターを務めつつ海外へ留学、ベルリン・フィルのコンマスとして知られたシュヴァルベに師事、その後に、シゲティの薫陶を受けている。
 よけいなことながら、例の事件は、このシャコンヌが録音された年に発生しており、ひょっとすると、これが海野の最後のアナログ・ディスクかもわからない。

 現在(2013年)77歳とか。今も現役なのかどうか。すくなくとも、レコーディングのニュースは届いてこない。
 ホイトリンクが79歳で入れていることを思えば、まだ可能性はあるだろう。無伴奏全6曲を聴きたい気持ちは捨てきれない。


★★★★





Urakawa Takaya
浦川宜也

BWV 1001-1006
around 1984
chaconne=16:03
(fontec FONX-20006/8 LP-JAPAN)







Urushihara Asako
漆原朝子

chaconne
Dec, 1983 LIVE
chaconne=15:03
(fontec FONC-5070 LP-JAPAN)



 漆原朝子が1983年、第2回日本国際音楽コンクールで優勝した際のライヴ。
 当時17歳だが、ばかにできないシャコンヌである。
 若さあふれる元気のいい演奏。コンクール優勝の記録だ。当然ながら、技術面もクリアしている。
 朝子さんの最近のすばらしい録音の数々との比較は意味がない。これはこれでじゅうぶん存在価値があるだろう。

 残響適度。臨場感のある優秀録音。


 ★★★★





Urushihara Asako
漆原朝子

BWV 1004 [c/w BWV 1002, 1006]
Jan 08-11, 1996
埼玉・川口総合文化センター・リリアホール (Saitama, Japan)
chaconne=13:32
(FUN HOUSE CLASSICS FHCE-2029 CD-JAPAN)



 優しさに満ちている。ふくよかで香り立つようなヴァイオリンの音色が、得も言われぬ癒しをもたらしてくれる。
 控えめなようでありながら、その実、楽曲への強い想い、まっすぐな視線が感じられる。いい意味で力が抜けてもおり、聴き飽きない。
 まったく、すばらしい。

 録音は残響やや多め、音が若干硬いが許容範囲。

 以前、コンサート会場で、朝子さんご本人に「バッハの残りはどうなってます?」と質問したら、「ウーン」とうなっておられた。
 それでも期待したいところである。


 ★★★★★





Urushihara Keiko
漆原啓子

BWV 1001-1006
Sep 19-20, 2010 & Jan 08&10, 2011
東京・石橋メモリアルホール (Tokyo, Japan)
chaconne=13:32
( Nippon Acoustic Records Inc. NARD-5035-36 CD-JAPAN )



 彼女のキャリア&実力からすると、満を持しての無伴奏と言ってよさそうだが、ご本人はまだ先と思われていたらしい。

 まことに、自然体そのもの。
 最初はずいぶん抑えた演奏と感じ、もの足りなささえおぼえたくらいだった。それがいつしか、聴くほどに味わいがいや増すようなおもむきに惹かれはじめ、さすがは漆原啓子……と最後には納得させられてしまったことである。 

 なにも足さない、なにも引かない――。
 ふと、浮かんだのが、SUNTORY YAMAZAKIのコピー。
 まさに、シングル・モルト・ウィスキーのような、生一本の名演奏。

 録音優秀。残響やや多も、直接音はしっかり録られている。


 ★★★★☆





Ushioda Masuko
潮田益子

BWV 1001-1006
Jul 26&27, 1971  Nov 06&07, 1972
東京・杉並公会堂(1971) Saitama Public Hall (1972)
chaconne=15:41
(EAST WORLD CC25-3650/51 CD-JAPAN)



 潮田益子さんによる1回目の全曲。1971年と72年の2回に分けておこなわれた録音。
 邦人女性初の無伴奏全曲ディスク。 同じ1971年、彼女よりわずかにはやく、豊田耕児が全曲録音に着手、達成したので、邦人初とはならなかった。
 ていねいで力強いが、単調で表情にとぼしい。今ひとつ感銘を与えるには至っていない。
 潮田さんはこの25年後、1996年にディジタルで全曲を再録音しており、デキは明らかに新録音のほうが上である。

 直接音はよく録れているが、乾いた残響がやや耳障りか。


 ★★★





Ushioda Masuko
潮田益子

BWV 1001-1006
Mar 7&8, May 31, Jun 1&3, 1996
埼玉・秩父ミューズパーク (Saitama, Japan)
chaconne=15:44
(fontec FOCD2529/30 CD-JAPAN)



 昨年(2013年)5月、惜しくも逝去された潮田益子さんの無伴奏。
 およそ25年ぶり、2度目の全曲録音である。
 淑やかで、てらいのない、枯淡の演奏だ。
 しっとりと落ちついた雰囲気がすばらしい。

 録音優秀。残響適度。直接音明瞭。


 ★★★★

 


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