I
Ibragimova, Alina (2007 LIVE)
Ibragimova, Alina (2008-2009)
Ioff, Ilya (1998)
Ishikawa Shizuka 石川静 (1976)
Iwamoto Mari 巌本真理 (1949)
A B C D E F G H @ J K L M N O P Q R S T U V W X Y Z &
J.S.BACH: chaconne
Ibragimova, Alina
アリーナ・イブラギモヴァ
chaconne
Jun 26, 2007 LIVE
the church of the St Lawrence Jewly, London
chaconne=14:37
( BBC MUSIC Vol.16 No.1 CD-UK )
*BBC Music Magazine CD
静寂のなかに、はっきりと像をむすばせた美しい演奏。強弱と緩急をたくみに使い分け、変化に富む。
やや硬質で芯のとおった音色も魅力だ。技巧も問題ない。
録音優秀。ホールの響きがよくとらえられており、しかも楽音明瞭。
ロンドンのセント・ローレンス・ジュウリー教会でのライヴ。
アリーナ・イブラギモヴァは1985年09月28日、ロシアのポレヴスコイ生まれ。楽器は1738年製ピエトロ・グァルネリ作(ベニスのピエトロ=j。
2008年から2009年にかけて、無伴奏ヴァイオリン・ソナタとパルティータの全曲録音を達成している。
★★★★☆
Ibragimova, Alina
アリーナ・イブラギモヴァ
BWV.1001-1006
Dec 22-23, 2008 Jan 17-18, Feb 17-18, 2009
Henry Wood Hall, London
chaconne=14:10
( hyperion CDA67691/2 CD-UK )
イブラギモヴァの全曲盤。
女の子らしい、みずみずしい感性が魅力だ。
コンパクトで強固な構築性を備えた演奏は魅惑であり、かわいらしくさえある。
バッハの無伴奏がこれほどチャーミングに、ていねいに弾かれた例は、これまでほとんどなかったと言っていい。
録音もすばらしい。直接音と残響が混濁せず、絶妙にブレンドされている。
モダン楽器使用(1738年製ピエトロ・グァルネリ)のようであるが、音色にはピリオド楽器の雰囲気がすくなからず感じられる。
彼女は、(バッハを)「いずれはバロック・ヴァイオリンで演奏してみたい」と語っているという。
★★★★☆
Ioff, Ilya
イリヤ・イオフ
chaconne
1998
chaconne=14:28
(MADACY ENTERTAINMENT GROUP, INC. MSO-2-4760 CD-CANADA)
ひじょうに腕達者な人だ。
強烈な推進力でグイグイ進めてゆく。迫力に圧倒される一方、鳴りっぱなしで、すこしばかり聴き疲れがする。もうすこし静謐の美がほしい。
録音優秀。やや高域がきつめ。残響豊か。
大衆向けのバッハ名曲集CDであるが、このために演奏されたものばかりのようである。
チラシなみのブックレット。演奏家紹介、録音データいっさいなし。
もしや、このイオフという人は、昔、マイナーレーベルがよくやっていた、だれかの仮名かと思いもしたが、実在していた。
ウィキペディアによると、イオフは1966年ロシア生まれ。サンクト・ペテルブルグ交響楽団に在籍した経験があるといい、退団後はソロ活動に専念しているという。
マルCは1998となっている。
★★★☆
Ishikawa Shizuka
石川静
chaconne
1976
in Belgium
chaconne=15:12
( EMI-Belgium C 061-97863 LP-BELGIUM )
石川静は1976年、エリーザベト王妃国際音楽コンクールで入賞(5位)。その際に制作された記念盤らしい。ほとんど忘れられてしまった録音である。
シャコンヌを単独演奏。ほかにラロの協奏曲(ピアノ伴奏版。ピアノはカノウ・ノリコ氏)など。
若干個性に欠けるものの、まことに堂々とした演奏だ。これだけのシャコンヌを弾ける人が5位とはいぶかしい。参加者のレヴェルが高かったのか(※優勝は、ミハイル・ベズヴェルフニー)。
残響ほどほど。直接音も十分入っているが、1976年にしては音が悪い。
石川の無伴奏は、ほかに第1ソナタがプライヴェイト盤で出ていた。
★★★☆
Iwamoto Mari
巌本真理
chaconne
1949
in Japan
chaconne=15:40
( goodies 78CDR-3200 CDR-JAPAN )
*first recording of Bach's chaconne by Japanese violinist
巌本真理(巖本真理)が23歳時の録音。
日本人によるシャコンヌ・レコーディングの第1号となった記念すべき録音である。
戦後間もないころの録音で、発行枚数もそれほど多くなかったろうし、そのうち破損などでうしなわれたものも相当数あるに違いない。「たいへん貴重な記録」とうたうグッディーズの説明は決して大げさではない。
いかにも戦前のスタイルだ。また、抑制の効いた、端然としたたたずまいは、彼女が師事した、アウアー門下の小野アンナ直伝のものとみていいが、この後、エネスコに師事しており、どのように変化していったかが気になるところでもある。
1949年の録音にしては、音は悪い。1929年のブッシュ盤よりも劣る。物資不足の時代を反映しているのだろう。製盤素材の粗悪さに加え、レコーディング環境の劣悪さもあったろう。
原盤はSP4面。当CDRは面が変わる際に生まれるブランクをそのままにしている。ここでのタイミングは、私的に編集してつないだものによる。
市販CDR使用、インレイはペラ紙に簡易プリントと、おもちゃのような商品。貴重な復刻であることは認めるが、これで1500円は少々不満である。せめて音盤のレーベル写真などを添えるくらいの親切さがあっていい。
巌本真理は1979年、53歳の若さで亡くなった。
せめてあと10年活動していたなら、と惜しまれる。
★★★☆