F



Fain, Tim (2008)
Faust, Isabelle (2009&2011)
Fenyves, Lorand
Fernandez, Fran?ois (2002)
Ferras, Christian (1978)

Fheodoroff, Thomas (2008)
Fichtenholz, Mikhail (1980s LIVE)
Fischer, Julia (2004)
Fontanella, Ann (2004)
Fried, Miriam (1997)

Friedman, Erick (1965)
Fuchs, Joseph (1974 LIVE)
Fujikawa Mayumi 藤川真弓 (2009 LIVE)
Fujiwara Hamao 藤原浜雄 (1985 LIVE)



A B C D E @ G H I J K L M N O P Q R S T U V W X Y Z & J.S.BACH: chaconne



Fain, Tim
ティム・フェイン

BWV 1004
C&P2008
chaconne=14:02
(image recordings IRC810 CD-USA)



 パルティータ第2番全5楽章完演。
 なかなかの熱演だが、叙情性にとぼしく、今ひとつ胸に迫るものがない。

 拡がりのないモノラル寄りのステレオ録音。音はいくぶん鮮明度不足も、鑑賞に支障なし。

 ティム・フェインはアメリカ人。カリフォルニア州、サンタ・モニカ生まれ。


 ★★☆




Faust, Isabelle
イザベル・ファウスト

BWV 1001-1006
Sep, 2009 Aug&Sep, 2011
TELDEX STUDIO, Berlin
chaconne=12:26
(harmonia mundi HMC 902059 CD-ITALY)
(harmonia mundi HMC 902124 CD-ITALY)



 爽快なキレ、豊かな音楽性で魅せる。
 彼女はピリオド&モダンの両刀遣いであるらしい。それをうかがわせるような、古楽器奏者独特の遊びがさりげなく織りこまれている。それがさほどの違和感を生んではいないのは、高度な技巧ゆえに違いない。
 かなりの腕達者で、まるで水のように音楽が流れ去ってゆく。それでいながら、皮相的にならず、押さえるべきところはは確実に押さえている。

 イザベル・ファウストは1972年、ドイツのエスリンゲン生まれ。
 クリストフ・ポッペンとデネシュ・ツィグモンディに師事しているのが興味深い。


 ★★★☆




1Fenyves, Lorand
ローランド・フェニヴェス

BWV 1004
1970s?
in Canada
chaconne=15:08
(CBC SM-212 ?LP-CANADA)



 カナダの大御所、ローランド・フェニヴェス(フェニヴェシ)が遺した貴重なバッハ録音。
 第2パルティータ完演。
 終始冷静沈着である。余分な力が完璧に排除され、激することがない。だが、その静けさ、柔軟さのなかに強烈な意志が光っている。技巧も問題ない。

 録音優秀。マイクと奏者の距離感も適度、残響豊かで聴きやすい。ステレオ録音。

 あまり見かけないLPかもしれないが、カナダのトロント大学が(自主制作的にではあるが)CD化している。
 データは不明。トロント大学のCDにも記載なし。この技巧の充実度からすると、フェニヴェスが50歳台、70年代の録音ではないか。

 フェニヴェスは、もとはハンガリーの人で、バルトークなどを得意としていたようだ。のちカナダに帰化。日本の桐朋学園で定期的に教えていたことがある。1918年生まれ。2004年没。


 ★★★★☆




Fernandez, Fran?ois
フランソワ・フェルナンデス


BWV 1001-1006
Jul, 2002
chaconne=13:08
(FLORA 0403 CD-FRA)


 バロック・ヴァイオリンによる。
 だがそれも、聴いているうちに意識しなくなる。あるいは、もともと「それらしからぬ」演奏なのかもしれない。
 小型ではあるものの、まとまりのよさ、弛緩のない流れが心地よく、飽きさせない。いい演奏だ。

 録音も文句なし。

 フランソワ・フェルナンデスは1960年、フランスのルーアン生まれ。ヴァイオリンを始めたのは12歳と遅く、手にしたのはいきなりバロック・ヴァイオリンだったという。


 ★★★☆




Ferras, Christian
クリスティアン・フェラス


BWV 1001-1006
P1978
chaconne=14:05
(SINE QUA NON SUPERBA SAS-2028/3 LP-USA)


 クリスチャン・フェラスの無伴奏。近年CD化されている。
 オリジナルLPは発行部数がすくなかったらしく、入手難であり、今なお人気が高い。
 私自身も、この盤がまだカタログに載っているとき、外盤取扱店に何度かオーダーをかけたが、結局入ってこなかった思い出がある。
 所有盤は、のちに中古で手に入れたもの。盤自体がまだ廃盤になっていなかったせいか、手ごろな値段であった。

 ひじょうに落ち着いた演奏で、感情的な起伏は感じられない。スター選手の派手さはないが、職人の実直さ、ていねいさが伝わってくる。なかなか渋味を感じさせる無伴奏。

 残響豊か。奏者とマイクのあいだは、やや距離をとっているが、残響と混濁する感じはない。しなやかな楽器の音色がよく捉えられている。高域によけいな刺激がなく、聴きやすい。

 フェラスは1933年生まれ。ここでは1721年製ストラディヴァリウス「プレジデント」使用の由。


 ★★★☆




Fheodoroff, Thomas
トーマス・フェオロドフ

BWV 1001-1006
C&P2008
chaconne=13:26
(ORF ALTE MUSIC CD3023 CD-AUSTRIA)



 古楽器による全曲。
 悪い演奏とは思わないが、わざわざこれを選びたくなるほどの注目演奏ではない。
 美感にあふれる一方、厳しさや深遠さには欠ける。

 録音は残響たっぷり。

 フェオドロフは1969年、オーストリアのクラーゲンフルト生まれ。


 ★★★





Fichtenholz, Mikhail
ミハイル・フィフテンゴルツ

BWV 1004 [c/w BWV1002]
1980s LIVE
chaconne=15:26
(GREAT HALL GHCD-10 012 CD)



 まるで遊びのない、張り詰めた演奏だ。
 フィフテンゴルツ(フィヒテンゴルツ、フィフテンホルツ……)は、ケガや政治的事情により、一度ドロップアウトを余儀なくされたが、その後、23年のブランクを経て復活を果たした。
 録音の鮮明なところからすると、1980年代、すなわち晩年の録音か。技巧的な衰えはかくせないが、内容がすばらしく、気にならない。シャコンヌはすさまじいばかりの迫力で、息苦しさを感じるほどである。
 長いブランクがなければ、さぞかしすばらしい演奏の数々を残したことだろう。惜しまれる。
 パルティータ第1番とのカップリング。

 鮮明なライヴ録音。残響豊か。

 フィフテンゴルツは、第1ソナタ&パルティータ、第2ソナタ、第3パルティータをメロディアに残している。もし第3ソナタの録音が発見されれば、全曲そろうことになるが……。

 ちなみにこのCD、1曲1トラック合計2トラックと勝手が悪い。


 ★★★★☆





Fischer, Julia
ユリア・フィッシャー

BWV 1001-1006
Dec, 2004
chaconne=15:47
(PentaTone classics PTC-5186 072 CD-)



 余分な力が抜けており、ていねいな仕上がり。
 強烈なものはなく、派手さもない。決して荒らげることなく、静かに音楽が流れてゆく。
 特別なことはやらずに、ひたすらまじめに奏でている。好感度の高い、なかなか魅力的な無伴奏。

 録音優秀。残響適度。

 なお、このCDには、DVDが付録としてついていた。フィッシャーの話しぶりや、弾きぶりを10分程度観ることができる。


 ★★★★




Fontanella, Ann
アン・フォンタネラ

Chaconne
P2004
chaconne=13:15
(POCKET SONGS / MMO un-numbered CD-USA)



 シャコンヌ単独演奏。
 外見に似合わず、えらく古風なスタイルである。今どき、こんなふうなポルタメントをかける奏者はめずらしい。いにしえの香りがただよう。
 しかしそれも、師匠が、ハイフェッツの愛弟子・フリードマンと聞けば、さもありなん、と納得した。テクニックは、完璧とは言えぬまでも、まずまずしっかりしている。
 紙ジャケ。自主制作CDか。ちょっと惹かれるジャケである。

 残響少、近接マイク録り……という、録音もまた、いにしえムード。

 アン・フォンタネラは6歳よりヴァイオリンを始め、10歳の誕生日を迎えてほどなく、ジンマン&フィラデルフィアo.との共演を果たした。エリック・フリードマンに学んでいる。いくつかの受賞歴もあるようだ。また彼女は作曲家の顔ももつという。
 楽器は"the Fontanella Milanese 1691"の由。


 ★★★




Fried, Miriam
ミリアム・フリード

BWV 1001-1006
Dec 08-13, 1997
フランス・マルセイユのブラシエール・ホール
chaconne=14:34
(LYRINX LYR-187/8 CD)



 淡々として滔々、自信に満ちており、ブレもひるみもない。
 のびやかで、みずみずしいヴァイオリンの響きに陶然とさせられる。
 大きな翼を想わせる、すばらしい演奏だ。

 録音も優秀。残響豊か。

 ミリアム・フリードはルーマニア生まれ。
 2歳のときにイスラエルへ移住。テル・アヴィヴのルービン音楽院を出、ヨーロッパで研鑽を積んだ。
 その後、奨学金を得て渡米。ジュリアードでガラミアン、インディアナ大学でギンゴールドという名教師二人に学んだ。
 パガニーニ国際コンクール(1968)、エリザベート王妃国際音楽コンクール(1971)で優勝するなど、輝かしい実績をもつにもかかわらず、レコーディング活動はきわめて低調。
 シベリウスのコンチェルトが知られているが、海賊盤で、ブラームスやベートーヴェンなども出ていた。そのほか、私の手許には、ドヴォルザーク、ヤナーチェク、スメタナの作品を集めたアルバムが一枚ある。
 実際、その程度だろう。
 そんな彼女のきわめて貧弱なディスコグラフィに、このバッハが含まれているのは幸運とすべきかもわからない。


 ★★★★★




Friedman, Erick
エリック・フリードマン

Chaconne
P1965
chaconne=

(RCA VICTOR LSC-7033(2) LP-USA)






Fuchs, Joseph
ジョセフ・フックス

Chaconne
Dec 10, 1974 LIVE
NY
chaconne=15:03
(VAI AUDIO VAIA-1190??CD-USA)



 フックスが75歳時の記録。ニューヨークでのライヴ。

 落石の転がる山道を進んでいくような風情であり、決して円滑ではない。流れは悪い、がしかし、確信に満ちている。
 力と気魄、そして、ほのかに感じる自由、古朴な香り。
 立派な演奏だ。

 録音は年代、ライヴというハンディを考慮すればまずまず良好。残響成分はすくなく、直接音明瞭。

 ジョセフ・フックスは1899年生まれ。1997年97歳で生涯を閉じるまで、音楽教師として現役をつらぬいた。教え子に藤原浜雄、渡辺玲子ら。


 ★★★☆





Fujikawa Mayumi
藤川真弓

Chaconne
Nov 26, 2009 LIVE
紀尾井ホール
chaconne=19:41
(MITTENWALD MTWD 99048 ?CD-JAPAN)



 藤川真弓のシャコンヌが登場。単独演奏している。
 期待を裏切らぬ名演。じっくり、たっぷりの20分弱。尻上がりに調子があがっていくのがありありで、そこにまた別の感動がある。

 録音は、「まずまず」。
 残響は最近の傾向からすると、やや控えめ。演奏者から比較的近いところで音を拾っているようだ。
 聴衆のマナーもいい。

 ベテランの至芸をみせつけた秀逸盤。


 ★★★★☆




Fujiwara Hamao
藤原浜雄

BWV 1001-1006
Jun 05, 1985 LIVE
chaconne=14:00
(TOSHIBA EMI-Japan LRS-910/11 ?LP-JAPAN)



pagetop J.S.BACH: Chaconne   A B C D E @ G H I J K L M N O P Q R S T U V W X Y Z &

 

 

 

inserted by FC2 system