N 6
Nadien, David (1973 LIVE)
Nagaki Michiko ナガキ・ミチコ (1970s)
Nicolas, Marie-Annick (1907)
Nikolic, Gordan (1997)
Nimura Eijin 二村英仁 (1999)
Nousou Sachi 能宗さち (2005)
A B C D E F G H I J K L M @ O P Q R S T U V W X Y Z &
J.S.BACH: chaconne
Nadien, David
デヴィッド・ナディアン
Chaconne
Jan 17, 1973 LIVE
Town Hall, NY
chaconne=13:31
(Cembal d'amour CD 140 CD-USA)
むしろ、クラシック界以外でその名を知られているかもしれぬナディアンの貴重なライヴ。
シャコンヌを単独で採りあげている。
攻撃的で、荒々しいが、すぐれた演奏だ。
モノラル。1973年にしては音は悪い。オンマイク&残響わずか。
デヴィッド・ナディアンは1926年生まれ。1966-1970のあいだ、ニューヨーク・フィルハーモニックのコンサート・マスターを務めた。バーンスタインが常任指揮者だった時代(1958-1969)と重なる。
& そんな彼の音源を、Cembal d'amour社が発掘、まとめてCD化している。これもそのうちの一枚。
Wikipedia によると、彼は坂本龍一のアルバムでヴァイオリンを担当、坂本は「彼が弾く最初の音を聴いただけで腰を抜かした」という。
★★★★
Nagaki Michiko
ナガキ・ミチコ
BWV 1004
1970s
chaconne=15:26
(TST 77 218 LP-W.Germany)
ナガキ・ミチコは、日本人と思われるが詳細は不明。
ジャケットには、東京でオノ教授に師事した……らしき記述がある(※ドイツ語)。小野アンナのことだろうか。
1971年夏、バルセロナでの国際コンクールでメダルを獲得したらしい。略歴はそこまでなので、この録音もそのあたりのものかと想像される。
潮田益子が1971年07月と1972年11月の2回にわけて、無伴奏全曲をレコーディングしている。そうすると、細かい話になるが、ナガキ女史が、パルティータ第2番全5楽章を最初に録音した日本人女性の可能性もある。
古風なスタイルが、どこかなつかしい。音色にも、エネスコを思わせるような枯淡の味わいがある。ひじょうにていねいで、ぬくもりを感じさせる。きわめて魅力的な演奏だ。
1970年代ならもうすこしよくてもいいのではないか、と感じる録音だが、雑な刺激がなく、ひじょうに聴きやすい。近接録りであり、直接音は明瞭。ふくよかな残響をともなう。
ドイツ製アナログのプライヴェイト盤。
★★★★
Nicolas, Marie-Annick
マリー・アニク・ニコラ
BWV.1001-1006
Aug 6-7, 2007
chaconne=13:19
(ALPHÉE 0041213 CD-FRANCE)
みやびやかな無伴奏で、ほどよいお香のにおいをかぐ風情がある。楽音の流れに身をあずけていると心がなごむ。「馥郁」という言葉が、ごく自然に浮かんでくる。
すばらしい演奏。ジャケ写真も悪くない。
シャープネスを抑えた聴き疲れのしない録音。ふくよかな残響をともなう。
マリー=アニク・ニコラは1956年フランス生まれ。
74年のチャイコフスキーで3位、76年のエリーザベト王妃で7位(※5位に石川静)などの入賞歴がある。
1673年製アンドレア・グァルネリ(グァルネリ一族の始祖)作のヴァイオリン使用。
★★★★
Nicolic, Gordan
ゴルダン・ニコリッチ
BWV.1001-1006
1997
chaconne=12:36
(Syrius SYR-141323A/B CD-FRANCE)
ゴルダン・ニコリッチによる全曲2CD。
線がやや細め、響きがシンプルでヌケがいい。ピリオド楽器によるものかと勘違いしそうだが、モダン楽器使用という。
どちらかといえば、地味な無伴奏。
サラバンドで、聴き手を煙に巻くような装飾が顔を出す。ふいに遊びたくなったのだろうか。そんなところが、おもしろいといえばおもしろい。全編とおして、気ままに弾いているようにも聞こえるが、聴いていて疲れないところがいい。
明らかに、前の4楽章とシャコンヌとの対比を意識しており、シャコンヌになると、迷いが消えたかのように、音楽に加速がつき、自信に満ちた流れが終曲へ向けて走りだしている。
第2パルティータは地味であるものの、第3パルティータは一転、溌溂とした元気あふれるものでなかなか聴かせる。ブーレ最後の装飾なども人を食ったようで愉しい。
ファースト・チョイスにはいかにも弱いが、5組、6組とハマってきたところで手を出してみるとけっこう愉しめるかもしれない。
録音は、そこそこに残響を取り入れたオーソドックスなもの。
ニコリッチは1968年、セルビアのブルス(Brus)生まれ。7歳からヴァイオリンを始め、カントロフに師事。現在は室内楽に力を入れ、指揮棒も握っているようである。
★★★☆
Nimura Eijin
二村英仁
Chaconne
Dec 13-15, 1999
STUDIO DAVOUT, Paris
chaconne=15:09
(SONY RECORDS SRCR-2508 CD-JAPAN)
シャコンヌが中核をなす小品集ディスク。
テクニックはしっかりしており、安心して聴ける。気合いも十分。やや教科書的なきらいはあるが、ひじょうにていねいで、キズのない好演。
録音優秀。
★★★★☆
Nousou Sachi
能宗さち
BWV.1001/1004/1006
Sep, 2004 - Apr, 2005
京都 (Kyoto, Japan)
chaconne=15:21
(SC KIKAKU SC-0010 CD-JAPAN)
*private recording
音が荒く、流れも悪い。音楽がぶつ切りになってしまっている。しかし、山あり谷ありの道を着実に乗り越え、踏みしめてゆくひたむきさと激しさは、聴き手の心を打つものがないではない。不器用だが立派なバッハである、と言ってよろしいかと思う。とはいえ、純粋な鑑賞対象として考えると、少々厳しい。
ほかに第1ソナタと第3パルティータ。
直接音重視、薄い残響が控えめに添えられている。録音場所の条件もそれほどよくないようである。
能宗さちは大阪生まれ。東京芸術大学卒……にしては、いささか技術に難ありといわざるをえない。これを録音するまでに、まとまったブランクがあったのかもしれない。
京都製の自主制作盤らしい。
★★